設計開発はやめとけ?きつい理由と研究開発との違い、職種か会社かの見分け方を解説

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期限の決まった開発のなかで調整の依頼が続くと、設計開発はやめとけという言葉が目に入ります。メーカーによっては「設計開発」や「開発・設計」という名前で、機械・電気・ソフトなどの設計をまとめています。含む範囲は会社ごとに違うため、同じ設計開発でも中身は一様ではありません。

設計開発のきつさは、会社の日程の組み方や担当範囲で変わる部分と、設計の仕事そのものから来る部分に分かれます。社内で担当を替えるか、同じ職種で会社を替えるか、設計以外へ移るかは、どちらから来ているかを見分けてから選べます。

この記事では、理由と残業の目安から、職種か会社かの見分け方と動き方まで解説します。

設計開発がやめとけと言われる理由

設計開発がやめとけと言われる理由として挙がりやすいものに、期限が何より優先されることと、図面以外の作業が多いことがあります。機械・電気・ソフトの設計者が同じ製品の開発日程に合わせて動くことが多く、図面以外の作業もその期限の中で片づけるため、2つは同じ期限の中で重なります。

このほか、会社によっては机に向かって図面やCADを扱う時間が長く、目や肩の疲れが出ることもあります。設計ミスの責任の重さのように、職種ごとに中身が違うきつさは、機械設計の記事で扱っています。

▶ 機械設計はやめとけ?そう言われる理由と転職で解決できる不満の見分け方を解説

日程が何より優先される

期限が先に決まり、前の工程の遅れや仕様の変更で再設計の作業が入り、増えた残業も同じ期限に集中する流れの図
編集部作成

会社にもよりますが、設計開発では開発の日程が最優先になりやすくなります。期限は先に決まっていて、そこまでに片づける項目がいくつも重なります。

たとえば、前の工程が遅れると使える日数が減り、仕様が変わると再設計の作業が入ります。残業も同じ期限に集中します。

図面以外の仕事が多い

図面を描く前には仕様を決める作業があり、描いた後には検証や保守が続きます。ソフトウェアまで扱う日立の設計開発職では、仕様策定・要件定義から実装・検証・保守、工程管理、運用設計・改良までが主な業務です。法規制の確認や社内外の基準のクリア、特許の回避や出願が、図面と同じ期限までの作業に入る場合もあります。

そのため、こうした作業に時間を取られた分だけ、図面と設計に回せる日数が減ります。

特許の仕事をどこまで設計者が持つかは会社で違い、その分だけ図面の外の作業の量にも差があります。

設計開発の残業時間の目安

設計開発に近い3職種の残業は、会社の規模を問わない全規模の平均で、どれも全産業・全職種の11時間を上回り、機械と電気・電子の技術者は製造業の13時間も上回ります。1,000人以上の会社(以下、大手)では、3職種とも全規模の平均より長く16〜18時間になります。

  • 機械技術者:全規模16時間/大手17時間
  • 電気・電子・電気通信技術者:全規模16時間/大手18時間
  • ソフトウェア作成者:全規模12時間/大手16時間
  • 研究者:全規模8時間/大手8時間

※設計開発に近い3職種と、比較用の研究者の月の超過実労働時間で、令和7年賃金構造基本統計調査の6月分の値です。産業計の値なので製造業以外の会社で働く人も含み、この仕事だけを集計したものではありません。

研究者と比べると、定時の労働時間は4職種とも全規模で159〜162時間とほぼ同じなので、労働時間の差は残業の分です。

残業は年代でも変わります。30代前半で大手にいるなら、比べる相手は全年齢の平均ではなく同年代の値です。大手で働く30〜34歳の機械技術者は月24時間で、同じ規模の全年齢の平均17時間より7時間長くなります。

統計は6月分の平均で、個人や月ごとのばらつきは平均に隠れています。それでも毎月の残業が一覧の大手の値を大きく上回り、30代前半の大手なら同年代の値も超えているとき、職種の平均だけでは説明しにくくなります。疑う先の1つは、会社や部署の日程の組み方です。

研究開発と比べた設計開発の仕事の範囲

設計開発と研究開発の線の引き方は、会社ごとに違います。

  • SMC
  • 設計開発に入る仕事・区分
  • 新製品の設計、開発、研究、分析など
  • 回路設計・制御設計・組込みソフトウェア・産業用通信技術の実務経験者を募る
  • 研究開発の扱い
  • 仕事の概要に研究と分析が入る
  • 勤務地は工場と研究所
  • 日立製作所
  • 設計開発に入る仕事・区分
  • 機器やソフトウェアから制御システム、鉄道まで
  • IT・社会インフラ・産業・交通・エネルギーの領域にまたがる
  • 研究開発の扱い
  • 研究開発は別の職種
  • 品質保証・生産技術・知的財産マネジメントも別に立つ
  • ニコン
  • 設計開発に入る仕事・区分:開発・設計の下に光学設計、システム・構想設計、機械・機構設計、電気・電子回路設計、ファームウェア・ソフトウェア開発、バイオ技術開発、加工技術開発の7区分
  • 研究開発の扱い:研究開発は別の分野で、光利用技術・数理解析・材料と要素技術の研究

出典:各社の公式採用ページ(SMCはキャリア採用の設計開発職の募集要項、日立製作所とニコンは採用サイトの職種のページ。2026年10月時点の記載)

ニコンのように研究開発を別の職種として置く会社では、研究が技術そのものを、設計開発が製品を受け持つ形に分かれています。その開発・設計の側には、製品に使う光学系の設計、製品に内蔵される回路の設計のように、技術分野ごとに分かれた職種がいくつかあります。

もっとも、その線は製品に近いところで重なることがあります。ニコンでも研究開発の分野には、材料や素子の新規開発から製品への応用までを受け持つ職種があるからです。

自分の会社が設計開発に何を含めているかは、募集要項や社内の職種一覧で確かめられます。

今のきつさは職種のせいか会社のせいか

調整の依頼が続くつらさは、日程の組み方か担当範囲の項目から探します。

  • 日程の組み方
  • 当てはまるサイン:どの部署でも期限が先に決まり、残業が、設計開発に近い職種の平均(月の超過実労働時間)を大きく超える月が続く
  • 合う動き方:同じ職種で転職する
  • 担当範囲
  • 当てはまるサイン:社内のほかの製品や部署の設計開発では、任される範囲や学べることが違う
  • 合う動き方:社内で担当を替える(方針から来る狭さなら転職)
  • 設計の仕事そのもの
  • 当てはまるサイン:試作や試運転が要る設計で、結果が出るまで正しさが分からない待ちと、ミスが見つかるたびの手戻りがつらい
  • 合う動き方:生産技術や品質保証へ移る(仕事内容を確かめてから)

見分けるときは、いまの部署の外と比べます。社内のほかの製品や部署の設計開発でも期限が先に決まっているなら、日程の組み方の項目です。隣の部署では広く任されているのに自分の担当だけが狭いなら、担当範囲の項目に当たります。

この狭さは、個人の配属から来ることも、会社の方針から来ることもあります。社内のほかの部署でも任される範囲が同じように狭いなら、方針から来ていることがあります。その場合は部署を移っても変わらないため、社内で担当を替えるより、同じ職種で転職する動き方のほうが当てはまります。

試作の結果を待つ流れは、試作や試運転が要る設計を続ける限り、勤め先を替えても残りやすい部分です。設計が終わってから部品手配・組み立て・立ち上げ・試運転を経て検証まで数か月かかり、ミスが見つかると部品手配からやり直しになる製品もあります。一方、検証の速いソフトウェア寄りの設計には、当てはまりにくい部分です。

残業が設計開発に近い職種の平均とほぼ同じなのにつらいなら、日程の組み方は後回しにして、担当範囲と設計の仕事そのものの2項目から当てはまるサインを探します。

不満の出どころに合わせた動き方

見分けた出どころによって替えるものが違い、日程の組み方なら会社、担当範囲なら配属、設計の仕事そのものなら職種です。

社内で担当を替える

担当が狭いとき、会社を辞めずに動けるでしょうか。社内の別の仕事へ移る手があります。

設計開発の中が細かく分かれている会社もあり、ニコンでは開発・設計の中で、製品全体の構想を考える仕事と、ソフトウェアの仕事(製品内外の制御ソフトなど)が別の職種に分かれています。

区分が別でも、異動できるかは会社次第です。まず、そちらの日程や仕事の広さがいまと違うかを確かめたうえで、担当替えを希望として伝えます。移りたい先の日程や担当の広さもいまと変わらないなら、会社を替える転職が次の候補です。

同じ職種で転職する

募集要項と面談で確かめる3つのこと(開発日程の組み方・担当の範囲・残業の実績)のチェックリスト
編集部作成

会社の日程の組み方が出どころだと、どの部署へ移っても期限が先に決まり、残業の多い月が続きます。詰まっているのが配属先の部署だけなら社内で担当を替えますが、会社全体がそうなら、同じ設計開発のまま日程の組み方が違う会社を探します。

募集要項では開発日程の組み方まで分からないことが多いため、応募先との面談で聞きます。聞く項目は、日程の組み方、担当の範囲、残業の実績です。日程の組み方では、製品の発売や納品の前に繁忙が集中するのか、複数の案件が並行するのかを確かめます。

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転職エージェントを使うか迷うときは、サービスの特徴を先に確かめてから決めます。

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生産技術や品質保証へ移る

試作の結果が出るまで待つことや、結果を見て設計をやり直すことそのものがつらい人には、設計を離れる動き方があります。2026年10月時点で、川崎重工の航空機の生産技術と品質保証の求人は、設計の経験を歓迎の条件に入れています。KOKUSAI ELECTRICの生産エンジニアの求人は、製造・設計・生産技術・品質保証のいずれかの経験を必須の条件にしています。

ニコンの職種紹介では、生産技術は品質を保ちながら効率よく作れる仕組みを考える仕事、品質保証は基準を作って試験や検査で製品の品質を守る仕事です。設計とは仕事の中身が違いますが、待ちと手戻りが減るかどうかは職種名では決まらないため、移る前に募集の仕事内容で確かめます。社内にこの2つの仕事があれば異動を希望でき、外の求人からも探せます。

とはいえ、移った先でも部署の間の調整は残ります。待つことと手戻りがつらいなら移る理由の1つになりますが、調整がつらいなら、移っても同じつらさが続きます。

▶ 生産技術はやめとけ?きついのは職種か会社か、向き不向きと次の選択肢を解説

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よくある質問

設計開発に向いているのはどんな人ですか

機械装置のように試作が要る設計開発では、試作の後まで結果が分からない待ち時間の長さを苦にしない人が向いています。

手戻りのたびに試作・試験・検証をやり直すため、この待ち時間は繰り返されます。

設計開発に向いていないのはどんな人ですか

試作が要る設計で結果待ちと手戻りに耐えにくい人は、向いていない可能性があり、生産技術や品質保証も選択肢になります。

残業の長さや担当の狭さだけで向いていないと感じる場合は、設計の仕事が合わないとは限りません。

まとめ

きつさを出どころで分けると、替えるものを決めやすくなります。

  • 会社全体の日程の組み方で残業が多い:設計の職種のまま会社を替える
  • 担当範囲の狭さがつらい:配属の問題なら社内異動、会社の方針なら同じ職種で転職する
  • 試作の結果を待つことと手戻りそのものがつらい:生産技術や品質保証へ移る(募集の仕事内容を確かめてから)

日程と担当の両方が当てはまる人は、異動したい担当の日程にいまより余裕があるかを社内で確かめてから、会社を替えるかどうかを考えます。

出どころが会社や部署にある場合は、設計開発を続けたまま動けます。

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